コンプレッサー式除湿機とは?
エアコンにも使われる「冷却の力」で湿気を取り除く定番方式
除湿機を選ぶとき、よく見かける「コンプレッサー式」。
名前は聞いたことがあっても、仕組みや他の方式との違いを正確に理解している人は少ないかもしれません。
この記事では、**「コンプレッサー式とは何か」**という基本的な仕組みから、
電気代や向いている部屋・使い方のコツまで、初めての方にもわかりやすく解説します。
コンプレッサー式の仕組み|結露の原理を応用した除湿方式
コンプレッサー式は、空気中の水分を冷却器で冷やし、結露させて除湿する方式です。
これは、夏に冷たい飲み物のグラスに水滴がつくのと同じ原理。
処理の流れ:
- 湿った空気を本体に取り込む
- 冷却器で急速に冷やして水分を凝縮(結露)
- 水分をタンクに回収し、乾いた空気を室内へ戻す
この方式は冷却用のコンプレッサーが搭載されているため、
高温・多湿な環境に強く、夏場の除湿性能に優れているのが最大の特長です。
コンプレッサー式のメリットとデメリット
メリット
- 夏に強い: 高温時に高い除湿能力を発揮(25℃以上が最適)
- 電気代が安い: デシカント式よりも消費電力が低く、コスパが良い
- 運転中の室温上昇が少ない: ヒーターを使わないため、室温に与える影響が小さい
- 衣類乾燥に適している: 長時間使用しても電気代が控えめ
デメリット
- 冬は苦手: 気温が低いと冷却効率が下がり、除湿力が落ちる
- サイズと重さ: モーターを搭載しているため、本体がやや大きく重い傾向
- 運転音が大きめ: コンプレッサー作動音が気になる人には不向きな場面も
電気代はどれくらい?|1時間・1ヶ月の目安を解説
コンプレッサー式は最も電気代が安い除湿方式として人気です。
電気代の目安(1日8時間使用)
- 消費電力:約160〜300W
- 1時間あたり:約4〜8円
- 1ヶ月(8時間×30日):約120〜240円程度
※条件:27℃・60%湿度の部屋/電力単価31円/kWhで算出
→ 夏の長時間使用でもエアコン除湿よりも安く、節約効果が高いのが魅力です。
どんな部屋・環境に向いている?
✅ リビング・ダイニング
→ 高温・多湿な広い空間で力を発揮。10L/日以上の除湿能力があるモデル推奨
✅ 洗面所・脱衣所
→ 衣類乾燥やお風呂上がりの湿気対策に便利。連続排水対応モデルが特におすすめ。
✅ 寝室
→ 音が気になる場合は、静音設計モデルや「おやすみモード」搭載機種を選択
✅ 一人暮らしの部屋
→ 6〜10畳程度の空間に向いたコンパクトタイプのコンプレッサー式も多数ラインナップ
他方式との比較|コンプレッサー式はどんな人に最適?
比較項目 | コンプレッサー式 | デシカント式 | ハイブリッド式 |
---|---|---|---|
得意な季節 | 夏 | 冬 | 通年対応 |
電気代 | 安い | やや高い | 中間 |
静音性 | やや大きめ | 比較的静か | 機種による |
室温変化 | 少ない | 上がりやすい | 状況次第 |
コンプレッサー式が向いている人:
- 夏の湿気が気になる方
- コスパを重視したい方
- 洗濯物を効率的に乾かしたい方
- 通年使うより夏中心に使う方
まとめ
コンプレッサー式除湿機は、「夏に強く」「電気代が安く」「除湿力が高い」
3拍子揃った除湿方式です。
一方で、冬の使用にはやや不向きで、動作音にも注意が必要です。
その特性を理解した上で、使う季節・部屋の広さ・使用目的に合わせて選べば、
快適で経済的な湿度コントロールが実現できます。
「除湿機選びで迷ったら、まずはコンプレッサー式を検討」
それが多くの家庭で選ばれる理由です。
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Q&A
Q1. コンプレッサー式除湿機の仕組みとは?
コンプレッサー式は、湿った空気を取り込み、冷却器で水分を結露させて取り除く方式です。冷たい飲み物のグラスに水滴がつく現象と同じ原理で、除湿した空気を再び室内に戻します。
Q2. コンプレッサー式は電気代が安いって本当?
はい、同じ除湿能力でもヒーターを使うデシカント式に比べて消費電力が低く、1時間あたり4〜8円程度で運転可能です。特に毎日長時間使用する家庭では、年間数千円単位で節約できることもあります。
Q3. どんな部屋に向いていますか?
高温多湿の夏場に特に強いため、リビングや脱衣所などの広めの空間に適しています。静音モデルを選べば、寝室や子ども部屋でも快適に使用できます。
Q4. コンプレッサー式は冬に使えますか?
気温が低いと冷却効率が下がるため、冬の除湿性能は落ちる傾向があります。冬の結露対策などには、ヒーターを搭載したデシカント式やハイブリッド式のほうが向いています。
Q5. 音がうるさいという話を聞いたのですが?
コンプレッサーが作動するため、モーター音がやや大きく感じられる場合があります。寝室での使用を考えている場合は、「静音モード」や35dB以下のモデルを選ぶと快適です。
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